夕立は馬の背を分ける(夏のことわざ)
昔から雷によって梅雨明けを知らされ、「雷が鳴ると梅雨が明ける」と言われているとおり、夏の気象の話題は雷に代表される。
信州は梅雨が明けると、毎日の最高気温が連日30度を越す酷暑となる。午後は決まって夏空を飾る入道雲(積乱雲)を知らない人はない。この入道雲は夕方になると雷鳴と共に激しい雨を降らせ、暑さを吹き飛ばす自然クーラーの役目をする。
日照りに悩む農家にとっては千金の雨である(今年の上田盆地は7月30日の梅雨明けから8月22日まで雨なしの砂漠状態)。この雲の中では電光が飛び交え,雷鳴がとどろきわたり、雷雨や突風のおまけまでつき、夏空いっぱいに暴れまくる。ただ、この現象はごく小規模内で起り、「夕立は馬の背を分ける」と言われるとおり、雨の降るのは積乱雲の下だけで、たった30-40kmの区域で、短時間で終わってしまうことが通例である。この雷は発生地から東に移動することが多い。また、谷筋や川沿いに沿って動きやすい言われており、その地方特有の雷の道がある。
信州のことわざを例にとると
「浅間の夕立は音ばかり」(佐久平)
浅間に発生した雷雲は群馬方面に移動し,佐久には来ない
「鳥川入口からの夕立は必ず来る」(松本市)
常念岳に発生した雷雲は川に沿って松本平まで東進する
「八幡隅みの雨と隣りのぼた餅はきっと来る」(善光寺平)
長野の雷雲は信州新町方面から来るものが多い
「別所の雷と隣りのぼた餅はきっと来る」(上田市)
上田市の西から来る雷は上田市に来ることが多い
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント