晩秋の狭山湖からの富士山
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信濃路も12月を向かえると初雪の舞も終わり、いよいよ本格的な冬への突入である。冬の信州は冷たい北西の吹き出しと共に雪が降り始め、信越県境地方は一夜にして1メートルを超す大雪となることは珍しくない。一方、中南信地方では乾燥した晴天となり、朝晩の気温は氷点下10度前後まで下がる寒い日が多くなる。しかし、このような気象条件を有効に利用している冬の信州は、冬山、スキー、スケート客で毎年賑わいを見せている。
さて、12月中旬頃になると中国大陸奥地には冷たい高気圧が発達して、西に高く東に低い、西高東低の冬型の気圧配置が固定してくる。川端康成の「雪国」の一章に「国境の長いトンネルを抜けると雪国あった」とあるように、本州の背稜山脈を境に、太平洋側は冷たい季節風が吹きわたり乾燥した晴天が多くなる。その反面、日本海側の地方は風雪のどんよりした毎日が続くようになる.。冬型の気圧配置が強くなると等圧線の間隔が込み合い、これが3日~4日続くと冬型の気圧配置はゆるんで、等圧線の感覚が広くなると寒さも和らいでくる。このような状態を繰り返されることを「三寒四温」というが、この言葉は中国東北区や朝鮮半島で用いられた言葉である。
平成17年12月末から1月初めは強い冬型気圧配置が一週間以上続き、信越国境付近は大雪に見舞われ孤立した村もあった。この冬型気圧配置は2月に入ると立春で暦の上では春を向かえるが、信州の寒さはいぜん厳しく、3月中旬頃までは冬型の気圧配置が続くケースが多い。
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信州の雪の訪れは北アルプスの峰から始まり、しだいに里に降りてくる。信州の平野部の初雪は11月中旬頃からであり、12月に入ると南部地方を残して初雪の舞いも終わるが、年によってかなりの違いもある。その年のクセをつかむのに、その土地のシンボルである高い山や高原に何回も雪が降れば、次は里にも雪がくると言うことを長い統計から生み出したことわざとして、東北信を中心に多くある。
「浅間山に三度雪がくると里にも雪がくる」(佐久・小県)
「高社へ三度雪が降ると村にも雪が来る」(中野・下高井)
その土地で言われる山は須坂地方では八丁山、上田小県地方では烏帽子岳、南小谷では岩戸山である。ただ、北アルプスのような3000級の高山では当然降る回数が違うので
「西山(北アルプス)に七度で大町は初雪」(大町・北安曇)
さて、12月も中旬になると冬型の天気が多く、その天気分布は北部方は雪、南部地方はカラカラ天気と全く逆で雪の降り方や原因も違う。ところで、信州の北部地方(長野から大町市を結ぶ線より北の地方)に降る雪は、強い北よりの季節風とともにやってくる。その時は大陸の冷たい高気圧がいつもより著しく発達しており、それだけ寒気が日本付近に流入していることになり、雪の降る量が多くなる。雪と風を結びつけたことわざも多くある。
「戸が鳴ると雪」(須坂・松本)
「障子の破れがうなると雪」(中野・下高井)
「寒夜、山が鳴動するのは雪」(上田・小県)
「冬の北風は雪」(上田・小県)
気象学的に説明できる観天望気は細かい観察と長い経験からあみだしたものが多く、天気予報と組み合わせて利用すれば非常に参考になる。
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