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2007年1月20日 (土)

信州の寒さ

雪と共にこたえるのは寒さである。

日本で最も寒いのは北海道である。信州もそれに劣らず寒い方である。例えば、軽井沢と稚内の厳冬期を比べて見ると、軽井沢の方が約2度も低く、札幌より1度ほど低くなっている。

長野市の年のうち一番寒い時は大寒(1月21日)後前後で、長野県内で一番の寒い記録(最低の極値)をしたところは、南佐久郡川上村の氷点下24.6度である。日本での記録は旭川の氷点下41度、世界では南極のボストーク基地(ロシア)の氷点下88.3度である。同じ気温でも風の強弱でよって体感気温は違ってくるが、1メートルにつき2度くらい低く感じる。

その点、信州は風が弱く、関東のからっ風の強いところに比べて、意外と寒さを感じない。年の内で最高気温が0度に達しない日を真冬日と言う。長野県内のこの日数を見ると東京と東海地方の真冬日のないところは伊那谷の以南にあり、冬でもしのぎやすさを示している。

真冬日の一番少ないところが飯田付近の1日、松本から上田及び善光寺平らのにかけての5日以内と少なくなっている。軽井沢は26日と最も多い。海抜高度に比例して信州の真冬日は増加しているが、県北部は雪の影響があるため日数が多くなっている。今年度はエルニーニョの影響で暖冬がクローズアップされているが、今冬は変動型の寒暖の差が激しいような気がする。

寒さは人間の寿命を短くすることもあり、脳溢血や心臓病、肺炎など冬季に死亡する割合が多くなっている。特に、病気がちの人や老人のいる家庭では、充分注意を払いたいものである。また、冬は災害が目立つため気象情報にも耳をかた向けるつつ、風呂に入る時は室内の温度管理など気をつけるようにしたい。

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雪との闘いの日々

信州の雪の訪れは北アルプスの峯から始り、山麓に降りてくるのは11月の中旬である。

長野市の初雪の平年値は11月21日、松本は23日、諏訪27日、飯田では12月3日で、信州の北部ほど早く、南部ほど遅くなっている。
降雪の終日は逆で、飯田では3月29日、長野は4月10日となっている。シーズンの総降雪量は信州の人の住んでいるところで一番多いところは、下水内郡栄村で1,500㎝(推定)前後、日本の豪雪地帯でもトップである。観測所のある所では野沢温泉の1,050㎝、白馬・飯山の500㎝が多いところである。長野周辺は150㎝、上田・松本では100㎝を割り、飯田にいたっては50㎝以下少量である。

また、日本で最も積雪の記録で量の多いところは飯山線(当時の国鉄)で、計測した森宮野原駅で昭和20年2月24日785㎝を記録したのが日本で最高積雪である。
ただし、山岳観測所では伊吹山が1,182㎝を記録して、おそらく世界一の最新積雪となっている。この積雪の雪圧は直径10㌢のパイプでも春になると雪に推されて針金のように曲がっているほどであり、家が雪の重みで倒壊することもある。屋根の面積50平方メートルに100㎝雪が積もった時の重量は約15tにもなるため、屋根の雪おろしをしなければ家の倒壊する可能性が高い。豪雪地帯に住む人にとっての冬の季節は、まさに雪との闘いである。

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大雪の兆しは豊作(冬のことわざ)

「大雪は豊年の兆」(信州善光寺平、佐久地方)

「大雪降れば豊作」(信州松本平)

「冬雪多い年は豊年」(信州飯田・下伊那地方)

雪の多い年は雪の保温作用で、地温を高めたり、土中の凍結深をゆるめ効果で、豊作に結びつくと言われ、昔から農家の間で残っていることわざである。

特に内陸性気候や太平洋側気候に属する、季節風による降雪量の少ない地方に多く残っている。これとは逆に新潟県と長野県の境の豪雪地帯の日本海側気候の地方では

「寒の雨は豊作」「寒雨豊作」(白馬・北安曇地方、中野・下高井地方)

と寒中に雨が降るような暖冬の年は、雪害も少なく、苗代が早めに用意できるので、豊作といわれている。冬の降雪量の多少や寒のうちの寒さや天候で、夏の天候を予想して、秋の米や野菜の収穫を判断する方法が農家の間で言い継がれている。これらは理屈だけでなく、気候の周期変化も考えに入っているので相関が高いと評価されている。

過去の大雪周期は、短い周期は6―7年、やや長いものに11―12年周期がある。豊作と大雪と比較してみるとおもしろい。気象台や測候所のない頃のことわざとして気候と豊作を予測する唯一の指針であった。昨シーズンは記録的な日本海側の大雪の年で、米の作況指数は全国的に不作であり、ことわざがどうりであった。今年は日本海側では雪が少なく、暖冬の年であるので豊作となるか?

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2007年1月 7日 (日)

信州・国宝大法寺三重塔

20070101151358_1  信州上田市近郊(青木村)にある国宝大法寺三重の塔。
(2007年元旦撮影)

正慶二年(1333年に造営中)鎌倉時代。
この塔は、見返りの塔という名で親しまれている。名の由来は、塔の姿があまりにも美しいので思わず振り返るほど美しいのであろうか。

その概観美の秘密は、兵庫県一乗寺の三重塔がある寺とも縁があり、大法寺は一乗観院関連の天台宗の寺に記録があるとか。直ぐ近くに安楽寺国宝三重の塔(上田市別所)もある。

全国に国宝三重の塔は13寺あるそうで、その一つです(福井県は明通寺三重の塔も)

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2007年1月 6日 (土)

蛙の冬眠、カマキリの巣(冬のことわざ)

北アルプスにある山小屋の老主人は朝起きると決まって、空を仰ぎ雲の流れや種類を見、鳥の鳴き声や移動によって、その日の天気を予想すると言う。このように、自然の動植物の一連の動向は天気や季節の進み具合を黙って教えてくれる貴重な教科書である。

気象変化の激しい信州には気象に関する多くのことわざが、高い山や雪深い奥信濃を中心に数多く残されている。今冬はエルニーニョ現象により暖冬でスキー場の雪不足、デパートの暖房用品は売れず、水力発電にも影響を及ぼす。

特に、顕著であった年は昭和47年と48年の2年続きの暖冬。この年からスキー場には人工雪マシンが多く設置されるようになったと記憶している。冬は冬らしく、寒く雪の降る地方は雪がないと不安を覚える。

そこで、この冬の長期予報を生きた天気のことわざの中から一つ。

豪雪地帯の飯山地方の国鉄季節除雪作業員は蛙の冬眠とカマキリの巣を作る位置によって、その冬の寒さと雪の量を予測し、雪害対策の準備をするが、気象台発表の長期予報より当たると言う。

「冬眠する蛙が浅いところにいれば暖冬、深いところにいれば寒冬」

意味:雪の量が多い冬はカマキリの巣が高いところに作り、少ない時は低いところに作る言われます。今冬は蛙は浅いところに、カマキリは低いところに巣を作っているだろうか?

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