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2007年9月14日 (金)

気象神社物語(5)

                   やごころおもいかねのみこと
          御祭神「八意思兼命」(知恵の神

気象神社は昭和19年杉並(旧馬橋4丁目)の旧陸軍気象部構内に造営されていました。御祭神は何の神様をお祀りしたかは、元陸軍気象部教官(陸軍大尉)渡会殿は現存している方々に聞きましたが分からないと言っています。
気象神社の由緒に詳しい元東京航空気象台予報官 呉林肇様は、御祭神のことを山本実前宮司(現宮司の父君)にお訊ねしたところ「天気予報は学問の粋であり、将来を予測する難しい仕事であるから」とのお答えでした。気象技術者にふさわしい御祭神を「八意思兼命」(やごころおもいかねのみこと)を神職が見出されものと思います。(「氷川神社社報」昭和58年5月吉日第29号と昭和62年5月吉日第45号)に掲載されている。

 また、山本雅道宮司の「八意思兼命」はどんな神様なのか?の質問に ”日本神話によると思兼命(八意思兼命)は天孫降臨の際に尊に随伴した神の一人であり、天の岩屋戸から天照大神を引き出すために、神楽舞の方策を講じた神で、八意思兼命は多くの人々の思慮を一人で兼ね備えた「知恵の神」なのである”思兼命のカネは大工道具の曲尺のカネに通じるとして、大工が建前の時に行う「手斧初めの儀式」の主神にもなっている。思兼命を御祭神とする神社は、思金神社(横浜市)、秩父神社(埼玉県)、静神社(茨城県)、阿智神社(長野県)は、いずれも建築関係の神として祀られている。水の神や山の神は数多くあるが、天気の神としては気象神社だけで、「晴・曇・雨・風・雷・霜・雪・霧」などの8つの気象現象を制御祈願する神社である。01_2 御祭神「八意思兼命」(知恵の神)由来版

 八意思兼命を「天気の神」としたのは天照大神が天の岩屋戸に隠れて、世の中が暗闇になった時に岩戸を開ける方法を考えられたので、暗闇を明るくする力を持った神とされたからだと言う。
 なお、山本雅道宮司は「八意思兼命」を御祭神している神は秩父神社、戸隠神社に祀られており、この名称をそのまま神社名としている神社が横浜市栄区にある「思金神社」としてある。宮司が昭和62年4月JR根岸線港南駅近くの小高い丘の静かな山間に八意思金大神を祀る「思金神社」を訪問されました。思金と言う名称を直接表示している神はここにしかないのではと思われる。

 八意(やごころ)とは意(こころ)を思いはかることは高度の結びの神性であり、常に天照大神の「み意(こころ)」を心として一切の私心を無にして仕え奉られたものと思われると言われている。

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