信州の夏の話題
信州の夏の話題
今年の夏は、8月に入ってから太平洋高気圧は強く暑い日が多くなっている。8月16日は岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市の最高気温は40.9度を記録するなど、全国的にこの夏一番の猛暑となり、日本の観測記録を73年ぶりに塗り替えた。
記録としては、16日の最高気温40度以上の地点は、以下の5地点であった。
順位 | 地名/県名 | 温度 | 時間 |
---|---|---|---|
1位 | 熊谷/埼玉県 | 40.9度 | 14:42 |
2位 | 多治見/岐阜県 | 40.9度 | 14:20 |
3位 | 越谷/埼玉県 | 40.4 度 | 13:50 |
4位 | 館林/群馬県 | 40.3度 | 15:00 |
5位 | 美濃/岐阜県 | 40.0 度 | 14:40 |
史上最も暑い一日だった。アメダスの観測時間間隔が細かくなっていたら、最高記録はもっとあちこちで更新されていたかも。
長野県松本市も8月に入り毎日30度以上で、10日からは35度以上の日が続いており、40度には及ばなかったが、16日は36.8度の猛暑日であった。
海抜の高い山国、長野県でも日中は30度を越し、風も弱く、毎日同じような炎天下が続く。長野県で本格的な夏の日がいく日あるのか、各地における真日日数(最高気温30度以上の日数)を平年でみると、長野県内で一番期間の長いのは下伊那郡泰阜村以南で55日から57日、次いで40日以上が天竜側沿いの松川町以南と千曲川沿いの上田盆地から善光寺平、松本の平野部である。
一方、避暑地で有名な軽井沢は4日、野尻湖6日、菅平・志賀高原・上高地では30度以上の日はほとんどない。沿岸部の東京は47日、横浜39日、新潟32日となっている。
長野県は内陸性気候であるので、標高差や緯度差をなくしても強い日射で、盆地では気温が沿岸部より高いが、人体が感じる暑さは気温のみではなく、湿度・風・日射などの気象要素によって決められる。
暑さの不快を表現するものに不快指数があり、これは気温と湿球に係数を乗じて出した指数である。この値が75以上であれば人口の10%が不快を感じ、80になると65%、85以上になるとほとんどの人が不快となるという。
長野県の平野部は日中の気温は沿岸部より高いが湿度が小さい(8月の平均湿度東京80%、長野76%)ので、沿岸部より蒸暑さが少ないことと、夜間の放射冷却により涼しさがあるため、不快指数は沿岸部に比べてかなり小さく過ごしやすい。
なお、アメリカ人と、日本人とでは指数が違い、アメリカ人は80%で全員不快を感ずるが、日本人は85で93%が不快を感ずるという。
長野県の最高気温の記録は(私の知る限り)昭和17年8月3日で泰阜村39.8度(今年塗り替えられた?)。日本の記録は上記の40.9度である。世界記録は、バスラ(イラク南東部)58.8度である。日本の暑さは最高気温の値で世界に比較すれば問題にならない。インドでは日本より相当暑いので、家は石造りが多く日中は戸を閉めている。窓を開放して風を入れる日本と比べると反対である。日本も最近は冷房を入れるので、窓を閉めることが多くなってきた。しかし、ヨーロッパと比較すればずっと暑い。これは日本がヨーロッパより緯度の低いこともあるが、一番に湿度が高いことである。日本の中でも夏の過ごしやすい長野とパリを比較すると長野でもパリよりは湿度が大きく気温も高いので不快度は長野が高くなっている。
今年の猛暑の原因は、ラニーニャ現象により、太平洋高気圧の勢力を強めているためであり、高齢者の熱中症による死者が急増している。
8月17日も午前中から東海・中部地方を中心に気温が大きく上昇した。岐阜県多治見市では午後零時半に40.8度と、前日記録した国内観測史上最高の40.9度に迫った。地球温暖化現象が一歩進んでいるように思える体感温度だ。
※ラニーニャはスペイン語で「女の子の意味」。
南米ペルー沖の海水温が0.5度以上低い状態が半年間続く現象で、
日本の夏の高温に密接に関わっているとされる。逆の言葉は「エルニーニョ現象」
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